白いジャージ4 ~先生とlove life~
―――トントン
ノックをすると、待っていたかのように依子が扉を開けた。
「依子~!!!!おめでとう!!」
「直~!!ありがと!!もう、めちゃめちゃかわいいんだよ。龍にそっくりで!!」
依子は、出産をした当日だと思えないくらいに元気だった。
「おう!お疲れさん。それだけ元気なら、これ食えるかな」
先生がプリンを手渡すと、依子は、甘いものが食べたかったんだって喜んだ。
依子と手を繋ぎながら、廊下をゆっくり歩いた。
赤ちゃんが並んで眠っている部屋。
「あのね、右から2人目の眉毛のしっかりした子だよ」
「うわぁ!!すでに男前だね!!」
龍に似ていると言う通り、生まれたての赤ちゃんとは思えないしっかりした顔立ちをしていた。
「将来が楽しみだな。あれ?龍は?」
先生がきょろきょろと辺りを見回した。
廊下には、赤ちゃんを見つめる何組かの家族がいた。
「龍には、買い物頼んでるの。ついでに、たっくんを迎えに行ってもらってる。あ、買い物がついでかな?」
「あははは。そうか。たっくんも今年から就職だもんな」
私とゆかりと同じく、たっくんもこの春から社会人になった。
この就職難の時期、決まっただけでもありがたいとゆかりは言っていたけど、かなり忙しい仕事のようだ。