白いジャージ4 ~先生とlove life~
涙を拭いて、私は携帯を見た。
先生からのメール。
【あと1時間くらいで帰る。ごめん!!】
誠実で優しい旦那様。
こんなことで泣いてちゃ、これから先の結婚生活やってけないよね。
私は実家に電話をかけた。
お母さんには時々電話していたけど、携帯にじゃなく、家の電話にかけたからお母さんはびっくりした声を出した。
『直!どうしたの?』
「何もないよ。ちょっとお母さんの声が聞きたくなったの。いつも私が家に帰るとお母さんが待っててくれて、それが当たり前だったけど、それってすごい幸せなことなんだなって」
お母さんは、何言ってるの!って笑ったけど、少し照れているようにも思えた。
「依子の赤ちゃん、かわいいよ~!今度、写真見せるね。龍に似てるんだ」
『そうなの?依ちゃんに似てもかわいいわよね。みんな元気にしてるの?』
私は、今日から高校に教育実習の先生が来たことや、ゆかりと今日ご飯を食べたことなどを報告した。
また気付く。
何でも話していたんだなって。
毎日帰ってから寝るまでの時間、いつもこうしていろんなことを話していた。
学校のこと、先生のこと、友達のこと。