白いジャージ4 ~先生とlove life~
直が俺を見なくなって、俺はそんな直を見るのが辛かった。
直は元気に笑っていた。
それが嬉しいはずなのに、胸が痛くて……
直が本当に好きなんだな、俺。
この校舎には思い出がいっぱいだ。
教官室へ向かう廊下。
ここで直の頭をポンってしたっけな。
この階段で直と目が合ったっけ。
教官室で、こっそり直の手を握ったな。
ここで、ホワイトデーの日に白いジャージを渡したんだ。
やり直そうって言いたくて、でも言えない俺を残して、直は走り去った。
そんなことを思い出してばかりいた。
「新垣先生、その指輪ってもしかして……」
教官室で机を移動させていると、後ろから金森が俺の手を掴んできた。
「おう。つい最近だけど、結婚したんだよ」
どうか冷静に受け止めて。
泣いたり騒いだりしないで。
俺には泣かせたくない大事な人がいるから。