白いジャージ4 ~先生とlove life~
「どうしたの?先生。悩んでるの?」
俺の顔を覗き込んで、何やら嬉しそうな笑みを浮かべていた。
「俺とのデートをそこまで夢見てくれていたってことはありがたい。教師としての俺は、ちょっと悩んでる。お疲れ様ってことで、1回くらい食事に行っても良いかなとも思ったりもする。でも、男としての俺がそれを許さないんだ」
教官室の前で立ち止まる。
首をかしげる金森にしっかり伝えないと。
「俺は妻のこと心から愛してる。俺は心配かけたくないし、泣かせたくない。俺に憧れていてくれたことは嬉しいし、ここで再会できたことも嬉しいよ。だから、せっかく俺のクラスの担当になったんだし、2週間一緒に教師として頑張って欲しい」
うまく言えないけど。
男としてじゃなく、俺を『教師』として見て欲しい。
憧れてくれるなら、教師の先輩として憧れて欲しい。
「わかりました。奥さんにベタ惚れってことですね!!」
お、わかってくれたのか?
普段はあまり体育教官室には来ない喜多先生が、教官室から出て来て、俺を見てニヤっと笑った。
どうやら会話を聞かれていたようだ。
「じゃ、歓迎会までに今日の分のレポート書いておけよ!」