白いジャージ4 ~先生とlove life~
第3章 -いろんな気持ち-
★卓弥目線★
―卓弥目線―
春から働き始めた俺は、まだ自分の居場所がわからず迷っていた。
これでいいのか、ここが俺の居場所なのか。
毎晩そんなことを考えて、答えが見つからないまま疲れて眠っていた。
就職難の今の時代に、仕事が決まっただけでもありがたいのに、文句なんか言えない。
それはわかってる。
理想とか夢とか追ってる場合じゃないのもわかってるんだけど。
俺のやりたい仕事じゃない。
ここにいる俺は「俺らしく」ない。
無理して、頑張って、笑顔作って、愛想振りまいて……
疲れる。
でも、疲れている暇もないくらい忙しくて。
毎日残業だし、会社用の携帯を持たされて、夜中でも早朝でもメールや電話がバンバン来る。
上司も先輩も、まだ本当の俺を知らない。
だから、俺を気に入ってくれている。
何でも言うことを聞く使いやすい新人ってな。
実はちっとも使いやすくなんかない。
俺は、いつかここから逃げ出してしまう。
にこにこして、ぺこぺこ頭下げて、かわいい後輩ぶってるけど、心の中は自分でも見たくないくらいドロドロしてんだよ。