白いジャージ4 ~先生とlove life~


経済学部で4年間勉強したくせに、営業部に配属されて、営業ってのも名ばかりのパシリ。


新入社員だからそれが当たり前だって頭ではわかってるけど、心がついていかない。




でも、3年はここで頑張る。


それは、先生が言ってくれたから。



先生ってのは、大学の先生じゃなくって……俺の憧れの男性。


俺の彼女のゆかりの親友の直ちゃんの彼氏。




先生の結婚式の3次会で、俺がちょっとだけ不満を言った。



「やりたくない仕事やって、満足感なんて得られない」なんて生意気なこと言った俺に、先生は言った。



「俺は、それくらい熱いこと言える男の方がちゃんと仕事ができると思うよ。お前なら、ちゃんと自分の居場所を見つけられると思う。とりあえず、3年は歯食いしばって、悔しくても頭下げて頑張れ」




俺の同期入社のヤツも1人、入社1ヶ月で辞めてしまった。


かっこつけて、俺も辞めてやる、なんて言ってたけどさ。



まだ何もやってないし、何ができるかもわからないうちに辞めても、それは逃げたことにしかならない。



それを先生から教わった。








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