白いジャージ4 ~先生とlove life~
「仕事の愚痴をね、最初はよく言ってたんだけど。今は全然言ってくれない。背伸びしてるっていうか、強がってるっていうか…… 私と一緒にいても、たっくんは違うことを考えてる感じがする」
ゆかりはまたブレスレットに触れた。
「同期の女の子の方が話しやすいんだと思う。私に仕事の悩みなんて話せないし、弱い自分を見せたくないんじゃないかなとも思う。でも、彼女としては、それってどうなの?って思っちゃう」
「たっくんに、今のゆかりの不安な気持ち伝えた?」
ゆかりは、コクンと頷いてから、携帯電話を取り出した。
「考えさせてって昨日言われた。何を考えるのかわからないんだけど。さっき、こんなメールが来た」
ゆかりの携帯の画面のメールを見た。
【今の俺じゃゆかりを幸せにできないのかな】
「遠回しな別れ話だよね?コレ。直はどう思う?」