白いジャージ4 ~先生とlove life~
「せんせ……?どうかしたの?」
「いや。ムラムラしただけ。へへ……」
クーラーの風が私の前髪を揺らし出した頃には、先生は車を走らせ始めた。
私はドキドキがおさまらないまま、時々先生を横目で見た。
好きだな。
本当に。
全部が、好き。
突然あんなキスをする予測不能な先生も、愛してる。
「どこか行きたい場所ある?」
左手の手のひらで、先生は自分のあごのひげに触れた。
朝剃ったひげが夜には少し伸びる。
「先生が行きたい場所に行きたい」
「じゃ~、ラブホでも行く? あはは。嘘だよ」
嘘じゃないような気がして私はドキドキしちゃったんだけど、本当に冗談だったみたい。
先生は、海へと向かっていた。
あの思い出の海。
だからわかる。
きっと学校で何かがあったって。
わかるんだ。
何もなければ、あの海へは行かない気がした。