白いジャージ4 ~先生とlove life~
1人でこの場所を歩けと言われたら、怖くて歩けないかも知れない。
それくらい夜の海は、迫力がある。
途切れることのない波の音。
どこまでも真っ暗な海。
この手が……
この手がなければ、私はここが好きじゃない。
先生と一緒だから、この場所がとても安心できて大好きなんだ。
「大丈夫?先生……」
私は歩く速度を少し遅くして、先生の手を引っ張った。
「ちょっと疲れてる。直が学校にいてくれないから」
立ち止まる先生と私。
砂浜に下りる階段。
その上から2段目に先生が腰掛けた。
私は一番上に腰掛けて、先生の肩に手を乗せた。
先生は、首を後ろにそらし、私の太ももに頭を当てた。
「直がいてくれればって思う。でも、直がいなくて良かったとも思う」
先生、悩んでる。
先生は、私の足に体重を預けたまま、静かに話し始めた。