白いジャージ4 ~先生とlove life~
夜空を見上げて、星を探したけど、ひとつも見つけられなかった。
どんよりした雲が夜空を覆っているようだった。
「俺のクラスに来た教育実習の生徒、ちょっと厄介なんだよ。教師を目指しているとは思えないって言うか…… 俺の言いたいことが伝わらない。今日も、放課後に怒鳴ってしまった」
先生が怒鳴るなんて……
始業式や終業式で大声を出すことはあっても、個人的に怒鳴ることって少ない。
「直には、言わない方がいいのかも知れない。でも、もう奥さんになったから何もかも話すよ」
すぐに予想がついた。
聞きたくない内容だと思うけど、しっかりと聞かなきゃ。
私は先生の頭に手を乗せて、ゆっくりと頭を撫でた。
「金森っていう生徒なんだが、昔俺に憧れていたらしい。それは何となくわかっていたことだけど、そのことを生徒や他の実習生に話すんだ。他の先生方も噂で耳にしているみたいで…… 俺にはアイツの目的がわからない。教育実習しに来ているのに、そんな噂が流れたらやりにくいのは本人だと思うんだけど」