白いジャージ4 ~先生とlove life~
先生は低い声で話していた。
先生は、私の座っている1番上の段に座りなおした。
そして、私の手を握った。
「今も、好きなんじゃない?」
私は、先生の顔を見ずに聞いた。
遠くから聞こえるバイクのエンジン音が、少し怖かった。
「それもよくわかんねぇんだよな。もし、好きなら……俺に嫌われるようなことをする?あまりにも直と違うタイプだから、理解できない。授業の方は真面目にやってくれてるんだけどさ。俺が結婚していることも知っていて、はっきりと俺の気持ちも言ってあるんだ」
そこまで言ってから、先生はちょっとはにかんだ表情になり、耳元で囁いた。
「俺は妻を愛しているからって……言ったんだ」
私は無言でうつむいた。
そんなことを言ってくれたことへの嬉しさ半分と……
そんなことまで言わないといけないかった先生への心配。