白いジャージ4 ~先生とlove life~
「先生の気持ち、絶対伝わると思う。だって、先生って教師として最高だから」
「ありがと。俺もなぁ、じっくり話せば絶対に伝わるって今まで信じていたんだけど、今回ばかりはちょっとショックで…… わかってくれたのかなって思って安心すると、全然わかってなかったり。あんまりそういうことしていると、実習生の中でも浮いてしまうし、生徒からもバカにされてしまうかも知れない」
先生は、ちゃんとその子のことを思っているのがわかる。
だから伝わると信じたい。
「2週間だよね?」
「ああ、長いようであっという間だから。後悔して欲しくないんだよ。俺も教育実習は思い出に残っているし、教師になってからも忘れることのできない経験なんだよな。だから、アイツには変わって欲しい。生徒と仲良くなれるってことは、教師の素質があるんだから、もう少し自覚を持ってくれれば…… いい教師になれると思うんだけど」
先生は、私の手を握ったまま、自分のひざに手をぶつけながら話す。
さっきまで聞こえていたバイクの音はもう聞こえなくなっていた。
目が慣れてきたせいか、海のずっと向こうまで見える。
雲に隠れた月が一瞬だけ顔を見せた。