白いジャージ4 ~先生とlove life~
「今日怒鳴ったことは俺もちょっと後悔してるんだけど」
先生は、私の手をもう一度握り直し、私の手の甲に唇を当てた。
先生に気があることを知ったクラスの生徒達が、金森先生を冷やかすようになったんだって。
金森先生がホームルームで話している時に、先生がちょっと笑ったりすると生徒達が
『新垣先生、笑ったよ!良かったね』なんて言ったりするらしい。
それを注意するわけでもなく、金森先生は嬉しそうに聞いていた。
先生は初日に、自分の恋愛のことは話さないようにと注意したんだって。
それなのに、今日も放課後に教室で恋愛話をしていた。
注意しに行こうと近付いた時に先生が聞いてしまったこと。
『新垣先生の奥さんって元生徒って本当?』
金森先生は、私よりも1歳年上だった。
だから、私と同じ年の後輩がいて、先生の噂を聞いたことがあるらしい。
先生は、今のクラスの生徒には、私のことは詳しく話していなかった。
だから、知っている生徒もいるけど、知らない生徒もいる。
先生は、教官室で金森先生を問い詰めた。
どうしてそういうことを生徒に言うのかって。
笑ってばかりで真剣に答えない金森先生に、先生は……キレた。
「直が絡むと、俺は平常心を失ってしまうんだよな」
先生は、ちょっと笑った後に、長いため息をついた。