白いジャージ4 ~先生とlove life~
「直、同情すんなよ!荒木みたいにずっと俺を想っていたわけじゃない。それは一緒にいればわかる。高校時代の友達に自慢したいから写メ撮らせてくれ、なんて言うんだからなぁ。もう、俺もどうしていいんだか」
金森先生に同情はしない。
でも、もしかしたら本当はずっと先生を好きだったかも知れない。
それがバレないようにしているだけかも知れないよね。
友達に自慢したいからって言うのも口実で、ただ先生の写メが欲しいだけかも知れない。
もしそうだとしたら……
ちょっとわかる気がする。
会いたかった先生にやっと会えて、嫌われるってわかっていても、先生に相手にして欲しいとか構って欲しいとかそういう気持ちがあるのかなって思ってしまう。
「良い子なんだけどな。高校時代はもっとサバサバした子に見えたんだ。今の金森見てると、何か抱えてるって感じがして…… 昔の金森はどこ行ったんだ?って思う」
「先生はやっぱりいい先生だね。先生に憧れて教師を目指したくらいだから、きっとちゃんとわかってくれると思うよ。最後の日までに、変わってくれるといいんだけど」
先生は大きく頷いて、私の手をグイっと引っ張って、体を抱き寄せた。
夜空を覆っていた雲がどこかへ移動したおかげで、月がよく見えた。
月が海に映って、キラキラ輝いてみえた。