白いジャージ4 ~先生とlove life~
俺は、真剣に語り合いたかった。
いろいろ怒ったけど、俺の気持ちをわかって欲しいと思ったし、金森の気持ちもわかりたいと思った。
だから、2人で話す機会を作った。
教師になることへの夢や、目指している教師像、将来への不安、何でもいいから真剣に話して欲しかった。
だけど、金森の頭の中には今そんなものは何もないんだとわかった。
何をしに、何の為にここへ来たのか。
真剣に向き合おうとしている自分がむなしく思えた。
生活指導室の前で、俺は立ち止まった。
教育実習生が来てからは、体育教官室で過ごすことが多かった。
「よ~!新垣先生。何だよ、その顔」
喜多先生は、パソコンに向かっていた。
立ち上がって、俺に一歩近付いた。
「その顔で家に帰ったら、かわいい奥さんが心配するよ」
俺の肩に両手を乗せた喜多先生は、話してみろと言って、俺にコーヒーを出してくれた。