白いジャージ4 ~先生とlove life~



俺は、少し待っていてくださいと言い、金森の元へ向かった。



教育実習生を教育するのが俺の仕事。




気を取り直して……



「なぁ、金森。おい、さっきは悪かった」





しょんぼりしているかと思ったら、携帯電話を出して、誰かにメールを送っているようだった。





「俺、ちょっと生活指導室にいるから、教官室でレポート書いてくれるか?」





謝るでもなく、金森はいつも通りの笑顔で俺に頷いた。





俺は、深いため息を10回くらいつきながら、喜多先生の元へと戻る。



疲れた。

もう疲れた。


俺、頑張ってると思うよ。

どうしてうまく行かないんだろう。




「はぁ……」




「ため息何回目?」




喜多先生は、俺を見てくすくすと笑った。






「完璧な新垣先生が悩んでいる姿ってのも、なかなかいいもんだね」




喜多先生は大きく足を広げて、俺の顔をじ~っと眺めていた。



連休明けは、この部屋も忙しかったが、今は生徒達も落ち着いている。


このソファに生徒が座らないことが、俺達教師にとっては嬉しいことでもある。






< 251 / 401 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop