白いジャージ4 ~先生とlove life~
俺は、少し待っていてくださいと言い、金森の元へ向かった。
教育実習生を教育するのが俺の仕事。
気を取り直して……
「なぁ、金森。おい、さっきは悪かった」
しょんぼりしているかと思ったら、携帯電話を出して、誰かにメールを送っているようだった。
「俺、ちょっと生活指導室にいるから、教官室でレポート書いてくれるか?」
謝るでもなく、金森はいつも通りの笑顔で俺に頷いた。
俺は、深いため息を10回くらいつきながら、喜多先生の元へと戻る。
疲れた。
もう疲れた。
俺、頑張ってると思うよ。
どうしてうまく行かないんだろう。
「はぁ……」
「ため息何回目?」
喜多先生は、俺を見てくすくすと笑った。
「完璧な新垣先生が悩んでいる姿ってのも、なかなかいいもんだね」
喜多先生は大きく足を広げて、俺の顔をじ~っと眺めていた。
連休明けは、この部屋も忙しかったが、今は生徒達も落ち着いている。
このソファに生徒が座らないことが、俺達教師にとっては嬉しいことでもある。