白いジャージ4 ~先生とlove life~



私は高校生の頃、先生を好きになった。


先生を好きな女子はたくさんいて、私のようにこっそりを想いを募らせている生徒もいれば、堂々と友達に好きだと話して、先生を追い掛け回している子もいた。



先生のことを好きだと公言している生徒は、先生の家に押しかけたり、先生の車の窓に手紙を貼り付けたりしていた。




私は、そういう噂を聞くたびに、胸が痛かった。


先生がかわいそうだって思った。


だから、私は先生への想いを隠し続けようって思っていたんだっけ。




先生は優しいから、生徒からの告白を冷たく受け止めることができない。


きっと真剣に悩んで、苦しむんだろうなって……



結婚した今も、先生はかっこよくて、人気のある教師なのは変わりない。


あの頃、先生が結婚していたとしても、私は気持ちを抑えることはできなかった。


だから、わかる。


今も、先生を好きな生徒はいる。


堂々と先生を好きだと言っている生徒と、影で恋している生徒が。




どっちが本気かなんてわからないけど、私は自分がそうだったから、誰にも言えずに恋している子の方がちょっと怖い。



それだけ真剣なのかなと思う。




今日、電話をかけてきた子は…… 先生の心を動かしたりはしない。



それはわかってる。




でも、どこかで今も先生を想っている女の子がいるんだってことを、目の前に見せられたというか。



何となくはわかっていても、実際に声を聞いてしまうと、大きな波が私の心を不安の海に引きずり込む。





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