白いジャージ4 ~先生とlove life~

 
しばらくいろんな場所を探した。


焦って、足がもつれる。




雨がどんどん強くなってきて、俺は心の中で直の名前を何度も呼んだ。



濡れてないか?


直、寒くないか?


もうすぐ俺が見つけるから、そこでじっとしてろ。





俺が絶対に見つけてやる。






コンビニ、本屋、グラウンド、商店街……




直はいない。






あ、公園。



俺は公園に向かった。


目を開けていられないくらいの強い雨だった。




自分でも雨なのか涙なのかよくわからない。





直、直……ごめんな。


泣かせないって言ったのに。





不安にさせてごめん。







「な……お……?」




公園のベンチ。


小さく丸まった影。



俺は自転車を放り投げた。






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