白いジャージ4 ~先生とlove life~
「ひどい!!」
教室のドアを開けた金森は、俺に気付くと廊下を走り出した。
悪いが追いかける気はない。
金森も心配だけど、その何倍も自分のかわいい生徒が心配だから。
「おい!金森!!」
名前を呼んだが、金森はもう階段を下りていた。
俺は教室へ戻り、生徒ひとりひとりの顔を見た。
どこか気まずそうな表情をした生徒達。
「金森先生がどこかへ行った。みんなはどう思う?」
生徒達は、怒鳴られると思っていたようで、俺の言葉を聞いてホッとした顔をした。
「教師失格だろ。泣いて逃げるなんて」
ひとりの男子生徒はそう言って、周りの友達に同意を求めた。
「言いたいことがあるのはわかる。でも、言葉遣いには注意しなさい。教育実習と言っても、金森先生は先生だ。意見を言うことは良いと思う。でも、けじめだけは忘れちゃいけない。相手は先生だから」
生徒達は、反省したようですっかり大人しくなった。