白いジャージ4 ~先生とlove life~
「もう言わない。最後だから。このまま実習終わって、いいのか?何も楽しい思い出残せずに終わって、後悔しない? ちゃんとみんなに伝えることがあるだろ?謝ることがあるだろ?」
怒りが込み上げてくる。
素直に謝ることができた生徒。
金森を受け入れようとしている生徒のことを考えると、金森の態度に怒りしか感じない。
顔も上げずに、ただハンカチで顔を押さえている金森。
悲劇のヒロインにでもなったつもりか?
もう、どうでもいいや。
「もういい」
迷惑かけてすいませんと喜多先生に謝り、俺は教室へ戻ろうと廊下に出た。
ゆっくりと一歩一歩歩く。
開け放たれた窓から、廊下に入り込む初夏の風が心地良い。
直、俺…… どうすればいいと思う?
もっと大人の対応をするべきだった?
俺は教室に戻って、何を生徒に伝えればいいかわからないよ。