白いジャージ4 ~先生とlove life~
「金森…… 今の気持ちを絶対に忘れるな。お前がしたことは、こんな簡単に許されることじゃない。このまま教師になれるとは思うな。そんな甘くはない」
俺の言葉は、金森の心に届いた。
今、そう思えた。
実習が始まってから、いつも金森への言葉は一方通行だったような気がする。
今、本当に俺の想いが届いたんじゃないかと……
「私、変わりたいです。ここにいるみんなに出会えなかったら、私は教師になりたいと思わないままだったと思う。復讐の為に教師を目指していたなんて最低だけど、私……教師を目指したいって思います」
遅いよ。
まじで……
もう実習も終わりだぞ?
仕方がない。
クラスのみんなの瞳がキラキラしていて、いい顔をしているから、俺も金森を受け入れることにしよう。
今回は生徒にとっても、俺にとっても本当に勉強になった。
金森のこと、きっといつまでも忘れられないだろうな。
生徒を教える立場の教師だって、人間であって、弱い部分を持っているし、心に傷を抱えていることもある。