白いジャージ4 ~先生とlove life~
焼肉屋さんで、お肉を注文してすぐに先生は胃を押さえた。
「どうしたの?先生、胃が痛い?」
「いや、痛いってわけじゃないんだけど、ちょっと朝から重苦しい感じ」
先生はみぞおち辺りを人差し指で押さえながら、苦笑いを浮かべた。
「もう!!それなら焼肉食べない方がいいよ。早く言ってくれたらいいのに。先生のばか……」
丈夫な先生だから、胃が痛いなんて聞くと心配になる。
やっぱり相当ストレスがあったんだね。
「もう大丈夫だから。今日は嬉しくてさ!!直とお祝いしたかったんだ」
何も言えなくなるくらい無邪気な笑顔で私を見つめる先生。
お肉の追加注文はなしだよって言うと、先生は残念そうにメニューを見つめた。
何度か来たことのある焼肉屋さん。
結婚前に来た時に、お店のおかみさんに『奥さん』って呼ばれて赤面したことがあった。
食べ終わった先生は、また胃を押さえた。
「先生、本当に大丈夫?しばらく胃に優しい食事にしよう」
「ああ。明日からは気を付けるよ」
先生は、眉間にしわを寄せながら笑顔を作った。
その笑顔が、なんだかとても無理しているように見えて、私はどうしようもなく不安になった。
どうしてだろう。
先生が遠くに感じた。
無理しないで。
先生……
弱音吐いていいんだよ。