白いジャージ4 ~先生とlove life~
先生、ごめんね。
先生が私にしてくれていることに比べて、私が先生にしていることは少なすぎるような気がする。
先生は絶対にこう言う。
“直がいるだけでいいんだよ”って。
でも、それだけじゃだめなんだよ。
先生が疲れてしまう。
ごめんね、先生。
「どした?直」
窓の外ばかり眺めている私を心配して、先生が手を伸ばす。
「いつもありがとう」
突然お礼を言う私を見て、先生は笑い出す。
見上げた夜空に浮かぶ月は、薄っぺらい三日月。
涙のせい?
目を凝らさないと月があることに気付かないくらいだった。