白いジャージ4 ~先生とlove life~
第4章 -大事な人-
先生の存在
教育実習が終わり、私と先生の生活にも平穏が戻って来た。
教育実習の金森先生に向けて、生徒達がビデオレターを作っていたそうだ。
先生はそれを最終日のお別れの瞬間まで知らずにいた。
自慢気にその話をする先生の瞳はキラキラしていた。
また、先生は素敵な先生になれたんじゃないかなと思った。
実習が終わってから2日後の夜中だった。
暑くて目覚めると、隣に先生の姿がなかった。
「あれ?」
寝ぼけたまま、私は立ち上がる。
先生、どこ行ったんだろう。
「先生?」
真っ暗なリビング。
時計のカチカチという音と、冷蔵庫のブーンという音が響いていた。
ソファに寝転ぶ先生を見つけた。
「先生、どうしたの?」
声をかけて、そっと先生の肩に触れた。
「う……うぅ」
うずくまるように背中を丸めた先生。
苦しんでいるように見えた。