白いジャージ4 ~先生とlove life~
「先生、1年目そんなに辛かった?」
「そうだな。何もかも初めてで……」
直は、お風呂の壁にハートマークを書いた。
そのハートの中に『スキ』と書こうとする直をぎゅっと抱きしめた。
直は、『スキ』と書き終えると、俺の鼻に鼻をくっつけて微笑んだ。
「教師1年目の先生、見てみたかったな」
「見せたくないよ。かっこ悪いもん……」
俺の教師1年目か……
懐かしい。
◆◆◆◆◆◆◆◆
今日から俺は高校教師として働き始める。
新しいスーツを着て、深呼吸をする。
1年目は副担任と体育の担当、陸上部の顧問。
何もかもが初めてで新鮮だった。
新しい校舎。
俺のデスク。
靴箱。
『新垣先生』と呼ばれること……
俺、教師になったんだ。
夢だった教師になれたんだ。