白いジャージ4 ~先生とlove life~
翌日、病院で胃カメラを飲んだ。
細かい検査結果は来週にならないとわからないけど、いちおう異常は見つからなかったのでホッとした。
俺は長生きしなきゃいけないんだ。
直の為、俺の為……
だって、あんなに最高の奥さんがいるのに、早く死んじゃったらもったいないだろ。
病院から学校へ向かう途中の車の中で携帯が鳴った。
路肩に車を停め、電話に出た。
「もしもし」
『……もしもし、先生。助けてよ』
名前を名乗らなくても誰だかわかるのは、直以外では、お前くらいだよ。
「はぁ、たっくんか。やっと俺に頼ってくれたな」
俺は待っていた。
いつからか、自分の教え子のようにかわいい存在になっていた。
『先生、俺……もう自分がわかんねぇんだ。これからどうしたいのか、何をすればいいのか』
たっくんは泣いていた。
俺は昨日自分の社会人1年目のことを思い出していたこともあり、たっくんの気持ちが痛いくらいよくわかった。