白いジャージ4 ~先生とlove life~
泣くんじゃないかと思っていたが、ビールを飲んで数分でたっくんは泣き出した。
「俺…… 何がしたいんだよ。ゆかりじゃないとだめなのに……」
「今はいっぱい後悔して、いっぱい苦しめ。お前が自分で選んだ道なんだから。絶対に成長させてくれると思うから」
後悔……か。
俺もしたな。
自分から別れようって言ったのに、どうして別れたんだろうって苦しんだ。
時間が戻って欲しいと願った。
「こんな店だった。俺とゆかりが最初に会ったのも…… 俺が働いてて、ゆかりがカウンターに座っててさ。……うぅ……先生、助けてよ」
俺も、こんなだった。
あの時、もし誰かに頼ることができたら……
今のたっくんのようだったと思う。
「なぁ、やり直すつもりなら早い方がいいと思うぞ。案外、中田は切り替え早そうだし」
こんないじわるを言ってみる。
たっくんは一瞬驚いた顔をした後、伏目がちになりため息をつく。
「でも、それじゃ別れた意味ないだろ?俺がしっかりしないと」