白いジャージ4 ~先生とlove life~
「直、あれ見えるか?」
先生がバスの窓から何かを指差した。
コンクリートでできた不思議な建物。
「トーチカって言って、戦争の時の防御陣地なんだって。俺も調べるまでは詳しく知らなかったんだけど…… グアムにはたくさん残っているらしい」
バスがトーチカという建物に近付いた。
私は言葉が出なかった。
先生も眉間にしわを寄せ、唇を噛み締めていた。
トーチカの上に置かれたゴミ。
ここで命を落とした人がたくさんいるであろう場所。
明らかに日本人が捨てたと見られるゴミ。
その様子を見たバスの中の日本人はみんな辛い表情をして、言葉を失った。