危険な同居生活
狭い8畳の部屋には、逃げれるスペースなどしれている。


しかも、体には傷を負った状態。


ましてや、漢字ドリルが無い今の俺には、あきらめの言葉しか浮かばなかった。


「すいません、驚かせてしまって…。」


その言葉に、一瞬、俺の動きは止まり、女性の方へと視線を向けると、頭を深々と下げていた。


シルバーの長いロングの髪が畳の床につきそうなぐらいに。


それがあまりにも長く続き、変な空気が俺の動揺を誘う。


「ちょ、頭を上げて下さい!」


気付いたら、俺は立ち上がっていて、小さな窓の鍵をこっそり開けていた。


何かあれば、すぐに逃げれるように。


漢字ドリルさえあれば…
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