危険な同居生活
店の中には重たい空気が流れ始めて、店内にピリピリとした静電気みたいなのがはしる。


他の客や、店員さん達もこちらに視線を向けて異様な空気に気づいた様子。


店のど真ん中で睨み合う、ベテラン風のおばさん店員と全身黒に染まったローブを纏う金髪の女の子。


そして、その横でセクシーな服を着飾るマネキンの横で隠れるように居る俺。



いっその事、何かあった時の為にマネキンになりきってみようかなと本気で考えてたりもする。


「アンタ、何か言ったらどうなのよ！」


先に沈黙に痺れをきらしたのはミカさんの方だった。


しかし、店員さんはミカさんの言う事には反応をあまり見せずに、ぶ厚く真っ赤な口紅で染められた唇をゆっくり動かす。


「お嬢ちゃん、お嬢ちゃんは何歳だい？」


全く会話になってないキャッチボール。


「はい？…何よいきなり！」


ミカさんは組んでいた腕を解放し、勢いよく店員に向かって大きな声で答えた。


いや、待てよ。確かに、今更だけどミカさんって何歳だ？


そういや、ミサさんの年齢も聞いてなかったな。まだまだ知らない事だらけな現状に若干の疑問が頭に浮かぶ。
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