危険な同居生活
尻尾を強く踏まれて、ガルルと今にも噛みつきそうなミカさんは大きな声で叫んだ。


「15歳よ!何か文句あるー!!」


ホントに噛みつきそうなぐらいに、店員さんに近づいて堂々と発する。



ん?今、なんて言いました?

俺の聞き間違い…じゃないよな!?


険しい表情を浮かべていた店員さんは、勢いよくミカさんの両手を掴むと、眉を下げて微笑んだ。



「よし!お嬢ちゃんに決まり!店長にぜひ会ってちょうだいー」


一体、何なんだ?この店員さんのテンションの上がり方は。


あれだけ走り回っていた俺達を怒っていたのに、今では一番浮かれてその場スキップまでしてる。


確か、俺が初めて来た時ってスキップしたら怒られたような……


何か、怒られた事に激しい疑問を抱いてしまったじゃないか。


しかも、ミカさんの両手を掴んだままだから、ミカさんまでグルグルその場で回ってしまっている。


「ちょっと!目が回るじゃない!離しなさいよー!」


なかなか見つからなかったモノが、ある日突然見つかった時の喜びに近い興奮状態の店員さん。


そんな状態の店員さんには、全く届かないミカさんの訴えが何か虚しく映る。
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