危険な同居生活
小さな頃から、人を指差すなと両親から言われていたけど、


今は、頭からどこかに飛んでいた。


ハネ、ハネ、ハネ、ハネ、ハエ、ハネ、ハエ、ハネ、ハエ………


何度も、同じ言葉が痛む頭の中でグルグル回る。


冷静になれ、冷静になるんだ。


コスプレ、そうだ、あの羽はコスプレに違いな…


「あっ、私は、天使です。」


一瞬に、コスプレだと言い聞かせようと頑張った俺の努力が無になった。



天使?…天使?


「あははー。カワイイ、天使のコスプレですね。」


女性は、俺の言葉に首を傾げ不思議そうな顔で俺を見る。


そして、数秒の間の後、ニコっと笑みを浮かべて俺に問いかけた。
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