危険な同居生活
しかし、そう思ったのも最初だけだった。


「あの…すみません。ここに居た二人、どこに行ったか知りませんか?」


二人がさっきまで居た場所を指差しながら聞いた。


若そうな店員さんは、俺の指差す方向に視線を向けると、


「華奢!モシャ!キャハ!キャハ!」


と、謎の呪文をいきなり唱えだした。



もしかして、俺は話しかけてはいけない人に話しかけてしまったんじゃないのか?


「あ、すいません。気にしないで下さい…」


軽く頭を下げて、そそくさと謎の店員さんから俺は逃げるように離れた。


俺以上の強者も世の中には、まだまだいるんだな。


俺は結局、300人ぐらい並んでいるレジの最後尾に並ぶ事にした。


レジの人が一番まともそうな気がしたから、尋ねてみようと思ったんだ。


それにしても、こんなに客がいたのは予想外だな…。


初めて見たよ。レジに並ぶ人がこんなに居るなんて。


待つこと1時間。


ようやく、俺の順番が回ってきたと思ったら遠くの方から聞き慣れた大きな声が聞こえてきた。
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