危険な同居生活
あまりの静けさとたくさんの冷たい視線に俺の心は大きな音を立てて折れた。



「おー!ダーリンありがとうございます!これからもよろしくお願いします。」


さらに両手を強くガシガシと揺さぶるように強く動かす男性。


「あ、そういえば、もう一人も捜してるのよね?」



早くこの場から去りたいと思っているのに、ミカさんは邪魔をするかのように男性に話しかけた。



「ミカさん、あーそうでした!双子というコンセプトなので、捜してるんですがなかなか…」



そんな事はどうでもいいから、早く両手を離してくれませんか?


男性が眉を下げて困惑な表情を浮かべると、店内の全員が頭を傾げて悩み出す。


なんだ、なんなんだこの店はー。チームワークが良すぎだってば。


その奇妙な光景を見たら、俺も考えてるフリを演じないといけないような気がした。


また、冷たい視線を浴びせられたらたまったもんじゃない。
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