危険な同居生活
いつものように手を合わせてから俺達は朝食を食べ始めた。


ミカさんは、最近やっと箸の使い方をマスターして、素手で掴む事はほとんど無くなった。



「それより、ミサどうするの?モデルの話ー」



素手で食べなくはなったんだけど、口の中にいっぱい詰めたまま喋るのは辞めてほしいところだ。



「田中さんのお力になれるんだったら、してもいい…かな」



冷えたお茶をゆっくり飲んでから、ミサさんは答えた。


やはり、ミカさんとは全然違うなと改めて思う。


「いや、ミサさん。俺の為だとかは思わないで下さい!いつも助けてもらってますし…」



笑顔を浮かべて俺はミサさんに気にしないで下さいという意味を込めて声を弾ませた。



「ちょっとー!ダーリン!ミカの時と態度が違うんだけどー」


こめかみを箸の先で突っつきながら、俺にブーイングをぶつけるミカさん。


こめかみを何度も刺激しないでくれ。地味に痛いんだよ。



ミサさんは箸の先を口に加えた状態で、首を右に左へと動かして考え始めた。


天然って言うか、その考え中の仕草は俺の心をキュンとさせているのは内緒だ。
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