危険な同居生活
鈍い音がハッキリと目の前で聞こえた。


しかし、俺の体には何の痛みも感じない。


その疑問に、俺はゆっくり片方ずつ瞳を開けると答えが導き出された。



「ミカさん！」


俺の前に立ち、小さな体を大きく使い両手を広げるミカさんに俺は驚きを隠せなかった。


風に揺れる金髪が時折、俺の頬にあたり何かを伝えてくるよう。


「ダーリン…逃げてって言ったのに…」


前を向いたまま弱く掠れていくミカさんの声が、俺を不安にさせていく。


「ミカ、アンタは悪魔失格だよ！他人を守るなんて…」


先の尖ったモノを強引に引き抜き、ミラという女性は嘲笑うようにとどめのセリフに合わせて、ミカさんを蹴り飛ばした。


引き抜かれた尖った先は、赤く染めて地面へとポタポタと落ちていく。


ミカさんが、俺の代わりに？


「うぉー！！」


激しい雄叫びをあげて、俺は蹴り飛ばされたミカさんの元へと踵を蹴って向かった。
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