危険な同居生活
そして、少しの間をあけて、ゆっくりとアヒル口は動いていった。


「私は、今日…あなたの頭に向かって落ちてきました。」



落ちて…きた?


「それで、あなたは気を失ってしまって…あなたのおかげで、私は無傷ですみました。」



気を、…失った?


…………!?


天使の女性の言葉に、何かが繋がった。

そう、俺は思い出したのだ。


「あー!そうだ!思い出した!」


俺の突然な大きな声で、天使の女性は、瞳を丸くして引き気味になっている。


すいません、と小さな声で呟きつつも、あの時のビジョンが頭の中に鮮明に映し出されていた。


それから、改めて、天使の女性は、『ごめんなさい』と『ありがとうございます』と呟き、頭を下げた。
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