危険な同居生活
死刑でも、無罪でも何でもしてくれ。


今はミカさんが助かるなら、俺はどんな罰でも受けよう。


「ん、んー、ん」


完全に唇を封鎖している為に、ミカさんの言葉が上手く聞き取れない。


そっと、ミカさんの唇から俺の唇を離して、ミカさんの顔をマジマジと見つめた。


「ダーリン…ありがとう…」


そう最後に言葉を残すと、ミカさんに異変を感じ始めた。


どんどん姿が薄れていくーー。


「ミカさん!ダメだ!消えちゃダメだ!」


俺の願いとは裏腹に、どんどん地面がくっきりと見え始めてくる。


そして、ミカさんは俺の言葉に反応しなくなり、俺のそばからいなくなった。


ミカさんを寄せていた左腕には、ほんのり残る痺れだけが虚しく残る。
< 191 / 203 >

この作品をシェア

pagetop