危険な同居生活
俺は痺れていた左手を何度か閉じては開きを繰り返した。


「オイ、アンタ!俺はアンタを許さない!」


ポキポキと拳を鳴らし、俺は飛び出した。


「人間ごときに何ができるの?」


格下だと思っているのだろう。鼻で笑う姿に、俺は憤りを感じる。


「人間ごときに?人間じゃなかったらどうする?」


そう意味深な言葉を告げると、俺は凄まじい加速で女の懐に入り、へなちょこパンチを繰り出した。


「な…なんですって…」


油断をしていた女にまともに命中し、女はその場に腹を抱えて倒れ込んだ。


「俺はただの人間じゃない。半分、ニートの血が流れてるんだー!」


威張って言う事では無いのは分かっていたが、気持ちが高ぶってるせいでつい自信満々に言ってしまった。
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