危険な同居生活
次の日の朝。


目の下にできたどす黒い隈が、今の俺を物語る。


「田中さん、朝食できましたよー!」


良い匂いが、俺の鼻をコチョコチョと優しく刺激する。


「はい、今行きます!」


気だるい体を起こして、俺は朝食が並ぶちゃぶ台のいつもの場所に座った。


キレイに並べられていく料理を隅から隅まで見ると、ある事に気づいてしまった。


「ミサさん…茶碗の数が一つ…」


そう。昨日までは存在していたミカさんの分まで用意された茶碗とお箸。


ミサさんは、準備が整うと俺の前にちょこんと座って笑って答えた。


「ミカの分も用意しないと、怒られますから」


その言葉に目頭が熱くなって、泣きそうになった。


「ですね。怒ると朝から賑やかですし」


と、泣きそうなのを堪えて、笑って返した。


そして、いつものように手を合わせて、いただきます。
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