危険な同居生活
「人間は、飛べないんですか?」
その素朴なミサさんの問いかけを聞いた瞬間、俺は、目の前にある直径30cmぐらいの水たまりにダイブしたい気持ちになった。
「ミサさん、とりあえず、とりあえず、降りて下さい!」
ミサさんは、素直に『ハイ』と答えて、ゆっくり降りた。
そして、俺は、人間は飛べない事を分かりやすく説明した。
説明しても、ミサさんは、まだ不思議そうな顔でスッキリしない感じ。
もしかしたら、ミサさんは、天使なのに、人間の世界を知らないのだろうか…。
「あの…田中さん。私、実は、この世界の事…何も知らないんです。」
やはり、俺の予感は見事に的中した。