危険な同居生活
「お客様?お客様?」
何度も、俺を呼ぶような声が聞こえてきた。
完全に、露出度の高い服に意識を奪われて、どっかの世界へ飛び立っていた。
「すいません、すいません。あの、天使のような女性に合う服ってどれですかね?」
腕を組み、露出度の高い服を見て、また意識が飛びそうになるのを必死に抑えて尋ねた。
「天使のような女性に合う服ですか?そうですね…。」
眼鏡からギラギラと輝くような光が出るぐらいに、おばさんは、服を探す。
そして、良いのが見つかったのか、何着か持って俺の元へ戻ってきた。
「これなんてどうでしょう?」
ピンク色のノースリーブの服に、少し黒いミニスカを薦められた。
このミニスカ、短すぎるような気がしてならない。
しかし、おばさんの自信満々の不気味な笑みが俺の言葉を飲み込んでいく。
「じゃあ、それください…。」
「はい、ありがとうございます。プレゼント用で袋に包みますね。」
鼻歌混じりのスキップで、レジへと向かうおばさんを見て、マネキンを投げ飛ばしたい気持ちになったのは内緒だ。