危険な同居生活
「何か来ます!そのまま、そこに居て下さい!」
いつもの穏やかな声ではなく、少し早口で、強い口調で言うミサさん。
「は、はい!」
今まで生きていた中で、多分、一番であろう大きな声が出た。
テーブルの下で、頭を手で抱えて、体を小さく。理解できない状況では、あったが、無我夢中で身を守る。
これは、まぎれもなく学生時代の地震避難訓練の成果だ。
店内に居る客達は、一人、また一人と、ざわつき始めると
ーーーガシャーン!ーーー
窓ガラスが激しく割れる音が響いた。
俺が身を隠すテーブルの下に、粉々になったガラスが、散らばってくる。
それを見た俺は、誰よりも先に、悲鳴をあげてしまった。
そして、それをキッカケに店内に幾つもの悲鳴が行き交う。
我先にと、逃げ出そうと店内は混乱状態に陥っていた。