危険な同居生活
誰も居ない様子の店内に、一人の悪魔がイラつき始める。



「もう！誰も居ないのー？居るなら、早く出てきなさい！」


右足をガタガタと揺らして音を上げた。そもそもの原因は、キミにあるんじゃないのか……。


「落ち着いてよミカ。もしかしたら、今日は休みかもしれないし」



冷静にミカさんを宥めながらも、どこか残念そうな雲がかかったような表情をするミサさん。


何よ！と、ミカさんは反論して反省する気ナシ。


「ちょっと、待ってて下さい。俺、奥の方見てきますから」


という口実で、俺はようやくミカさんの密着から逃れる事に成功した。


そして、薄暗く感じる店内の奥へと足を進め、ドリンクバーの横にある厨房らしき所を発見した。



そこの前に立ち止まり、もう一度、声を出して呼びかける。


「すいませーん！」


しかし、返事は無く、また空回りとなった。


虚しい気持ちが、俺の心を占領していく中、踵を返して二人の待つ所へ戻ろうとした時、ガシャーンという何かが割れる音が、厨房から聞こえてきた。
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