危険な同居生活
最初は、ワクワクして待っていた二人だったが、次第に表情は変化していた。


ミカさんは、違う意味でだと思うけど。


「誰も、こちらに来ません…ね。田中さん」


「…ですね。ちょっと待ってて下さい。俺、見てきます」



このどんよりした重たい空気に居たたまれない気持ちの俺は、そそくさと厨房の方へ様子を見に向かった。



「あの…って、どうしたんですか!?」


厨房から、また顔をひょっこり出すと、顔面蒼白で悶える黒服の人が疼くまっていた。


慌てて、その人に駆け寄ると、パクパクと口を動かしながら、何かを俺に訴えかけてくるのが分かった。



背中をさすってあげながら、俺は耳に神経を集中させてその声を聞く。



「モヤ…モヤ…モヤ…」



集中させて聞いてみたが、謎の呪文のような言葉しか聞こえてこない。


「モヤ…がどうしたんですか?大丈夫ですか?」



「モヤシ…を。そこのシルバーの冷蔵庫に入っているモヤシ茶を……」



意味が分からない状況の中、俺はとりあえず、シルバーの冷蔵庫を目指して、黒服の人が言うモノを探した。
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