危険な同居生活
冷蔵庫を開けるなり、最初に飛び込んできた大量のモヤシに俺は、一歩後ろへ退いた。



今までに、こんなモヤシだらけの冷蔵庫を見た事がない。



「早く…モヤシ茶を…お願いします…」


背中の方から聞こえてくる声は、もう完全に弱りかけていて、黄色信号に変わりつつある。



「どれですか!モヤシ茶って何ですかー!」



パニック状態になり、モヤシを次から次へと外へと投げ出す。


しかし、モヤシ茶というモノを見たことがない俺は焦った。


気づけば、俺の足元には千近い大量のモヤシの袋が散乱している。



どれだ!どれが、モヤシ茶なんだよー!


モヤシの波を掻き分け続けて三分ほど、ようやく、青い水筒を見つけた。



「ありました!この水筒ですか?」



ガンガンに冷えた水筒を握りしめ、俺は黒服の人の前にそれを差し出した。
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