ジェネシス(創世記)
ウル国王は年老いて、実戦で戦をするだけの体力はもうない。ヨナが戦場で、大将として指揮をつかさどっている。

次期後継者はヨナにゆだねられていた。ヨナとダデは、ともに戦場で戦った。ダデは、作戦参謀としてその才能を発揮した。

 ラエルの科学者が、「方位磁針」を開発した。ダデは、即座に活用した。地形を知るうえで重要な道具となった。特に船上では、大いに役立った。

 ダデの配下に、流れ者の「カン」がいた。カンはある通信装置を考案した。薪を焚いては、ノロシを上げた。

その舞い上がる煙を合図に、敵の動きを察知し遠方にいる味方に連絡していた。その後、ノロシだと敵に知れ渡るので、時には太鼓をたたきその音で合図とした。

音の調律が、暗号として機能していたのだ。またハトを飼い慣らし、その習性を利用して「伝書バト」として通信手段に役立てた。

 ダデは、弓矢隊の戦法を変えた。「ナガノブ」という武将の提案だ。ある河原で、ラエルの弓矢隊がパレス兵に射った。

その次に、また弓矢隊が続いて射った。弓矢隊は、三段階に別れて攻撃した。時間差攻撃だ。その時の戦いを、「ナガシノの合戦」と呼ばれた。

 ラエル兵が、横一列となって進軍している。しかしダデのラッパの合図で、ラエル軍は隊列を崩した。横一列から、V字型・逆V字型・W字型・コの字型・T字型・Y字型など色々な隊列を組ませた。

状況によって、フォーメーション(陣型)を変える戦略である。この戦術を編み出したのが、右目を失明した「片目のムネマサ」という武将だった。
 

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