ジェネシス(創世記)
ダデの軍隊は、時には退却した。背を向けて逃げ去ると、当然ながらパレス兵は追いかけてきた。

草原に誘い込むと、突然長いヤリが草むらから出てきた。ラエル兵が静かに、草むらの中に身を潜めていたのだ。

 またダデは、草原の中にパレス兵を追い込んだ。すると、パレス兵の目の前で炎が立ちはだかった。

パレス兵を火攻めに合わせたのだ。枯れ草に石油をまき、松明の火を放ち、パレス兵らを焼死させるのであった。

 敵の軍隊が我が陣営の一0倍であっても、ダデはひるまなかった。兵隊は何も人だけではない。恐れを知らない強い味方がいた。

牛やイノシシなどの家畜だった。調教師は「キソ」だ。クリカラ峠にて、それを実戦に使用した。

水牛の角に松明をくくりつけては、猛突進させたのだ。パレス軍は、谷間に追い詰められ、谷底に落とされてしまうのであった。

「サウルは千を討ち、ダビデは万を討った(サムエル記、上)」

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