ジェネシス(創世記)
三人の神官と一二士族を代表する司祭者たちは、改めてダデの頭部に聖油を注ぎ、ユダ士族から選ばれた国王に就任させた。エルサレムを首都として、国家が統一された。

 ダデ国王は元ウル国王の娘ミカと再会し、一つ屋根の下で生活を始めた。ミカの再婚相手の夫とは、強引に別れさせた。

しかしダデ国王が放浪中に、六人の女性を側室にし、六人の息子が生まれていた。その後も愛人を作り、さらに子供たちも増えた。その反面ミカは、子供を一人も授かることなく病死してしまうのであった。

 アキ王も他界し、再びパレス人との間に深い溝が生まれた。戦争は避けられそうにもない。ダデ国王は、エルサレムの城壁をさらに頑丈な防護壁と作り変えた。

 ダデ国王は宮殿の中に、「契約の箱」を安置しようとした。その時、引いていた牛の片足が側溝にはまり、従者のザウがはずみで「契約の箱」の下敷きとなって死んでしまった。そのため、ダデ国王は「主」の怒りを恐れて、別の場所に安置するのであった。

「どうして主の箱を、私のもとに迎えることができようか(サムエル記、下)」

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