ジェネシス（創世記）

　モン国王の高校・大学時代での成績は、決して「優良」ではない。私のほうが、モン国王よりも常に成績は優れていた。勉学に秀でていた。

それでも私は、実社会では何一つ役に立たなかった。応用力も体力もない私は、自信を喪失した。

　一方モン国王には、人一倍の「知恵」があった。知識の上に発想力や、ひらめきがあった。私には知識があっても、創造力はない。

モン国王には行動力に、即断・即決力もあった。下らない会議をダラダラするより、結果を恐れずすぐに行動を起こした。

結果が悪ければ即座に変更し、新たな方法で実行し直した。臨機応変、それがモン国王のやり方だった。

　モン国王には鋭い観察力や洞察力（見抜くこと）、先見力（先の出来事を見通すこと）があった。相手の行動や心理を読んでいた。私には全くない、能力だ。

　モン国王は、刑事事件にも口出しをしていた。モン国王の推理力は抜群だった。指紋・筆跡・靴跡、血液も色で種類（Ａ・Ｂ・ＡＢ・Ｏ）を判別した。

目や微妙な身体の動きから、他人のウソを見破っていた。これらの証拠で、検挙率は向上した。

　普通の刑事は、一０人から聞き込みをしても、真犯人を突き止めることはできなかった。でもモン国王は、その一０人の中に真犯人がいると断言して、再捜査を求めた。

結果、モン国王の予想は的中した。警察署長や刑事たちは脱帽し、捜査の基本を改めて見直された。